kikaku.




三周年・十万打記念


口唇にのせて紡ぐ
いろはうた
指先より愛をこめて


■色は匂えど(リドル)
今はまだ歩み出したばかりの濾過された世界はきっと、破片を残したくないのです。だから、日没までには終わる散歩道を歩幅は同じにして、そして平行に生きよう、隣り合わせに歌いましょう。

■散りぬるを
血に染まった右手と、理由を求める左手と、温もりを探す爪先と、累々たる理不尽を抱いて叫ぶのです。「をかし、をかし、ああ、をかし!」

■我が世誰ぞ(ヒソカ)
分かってくれとは考えていません。賢くても愚かしくても、理解はできないのです。よもや、期待はしていません。誰も知らなくてもいい、憐憫すらも塵と化して、それだけが僕の真実だと(   )

■常ならむ
徒然に、ただ徒然に祈りますは、「願わくば君が苦しんで死にますように」と。何千何万幾億もの星々に祈りますは、「来世においては君と出会いませんように」と。群れからはぐれた子羊たちが祈りますは、「   」。

■有為の奥山(クロロ)
美しいものを探しているのです。今もなお彷徨うのは何故でしょう。野原を駆け抜ける獣も、大空にかえる虹たちも、暗闇に伸ばした指先でなにを掴んだのでしょう。矢継ぎ早に押し寄せる攻撃に、全うな返答もできやしない。

■今日越えて
欠落を超えて嘆く鳥が、耽る空想にまどろみながら虚空に視線を伸ばして、絵空事を爪弾く神様に一言。「手も足もいらない、私は羽根さえあればそれでいい。」

■浅き夢見じ
呆れるほどに単純な思考でささくれ立った心は気まぐれに恋をした。夢心地に浸る暇もなく、目覚しく生まれ変わる世界にただ見知らぬ感情に戸惑うばかり。締めくくる世界に響くのは、(   )

■酔ひもせず
酔いに任せて言ってしまおうか。一人にしないで、抱きしめて。もうじき消えてしまうだろうから、せめて今だけは言わせて下さい。「すきです、たぶん、だれよりも」





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