Smile once again!!
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なんだか眠くならないからコンビニへ出かけようと(夜中だけど)家を出た。
しばらく歩くと、なんということでしょう!!道路を歩いていたはずが、どっかの広い部屋に居るではありませんか!!
なんでだよ、ふざけんじゃねぇ。何処ここ!!
本気で劇的なビフォーアフターだよ!!!
どうすんのコレ。私金しか持ってねぇよ。
一人で悶々としていると重そうな扉が開き、ティアラを付けた男が入ってきた。
「お前誰だよ」
不法侵入しといてなんだが、私もそれ聞きたい。
ナイフを構えて少しずつ近づいてくる。殺気がビンビンだ。
『あの、すいません。コンビニに行こうとしたら知らないうちに此処にいたんですケド、何処ですか、此処。
ってか、ホントに、マジで敵意とかないんでナイフしまって頂いても良いですか。』
「知らね」
いきなり額目掛けてナイフを投げられる。
しゃがんで避けたが背後を見ると、しっかりとした壁にナイフが刺さっている。深々と。ヤバイ。この殺気もナイフもマジなヤツだ。
しゃがんだまま呆気にとられていると、足下にもナイフが投げられる。
間一髪で避け、無意識のうちにこう叫んだ。
『高そうな壁と床に何て事を......!!』
違う、そうじゃない。
自分でもツッコムわ。
「王子、手加減してやってるけど随分と余裕そうじゃん?」
すると、円を描くように浮かべられたナイフが一斉に此方に向かってきた。
一瞬びびったが半額セールで買ったお気に入りのパーカーより、自分の命の方が大事でした。ごめんね。君のことは3分くらい忘れないよ。
上に来ていたパーカーを犠牲に、ナイフから身を守った。
そこで、バン!!と音をたててロン毛の人が入ってきた。
「バタバタバタバタうるせぇぞぉぉぉぉ、ベル!!何してやがる!!」
『「お前(アンタ)の方がうるせぇよ。叫ぶな!」』
見事にハモる。私にも気付いたようで、話しかけてきた。もうなんだこれ。
「てめぇ誰だぁ?」
「ただの侵入者」
ベルと呼ばれたティアラの男は、答えながらも次々とナイフを投げつけてきた。
『おーーい!違うなーー!!経緯は説明したはずだなーー。聞いてたかい!?』
「聞いてねぇ、よっ」
『なんでよ!!聞いてよ!!攻撃しないでよ!!理不尽!!』
「おい、女ぁ。説明しろぉ」
『今、この状況で!?無理だろ!アンタ鬼畜かっ!』
「おいベル。攻撃やめろぉ」
ロン毛の男が止めに入って、ベルさん(仮)は攻撃をやめた。
まじ助かった。ありがとう、ロン毛のあんちゃん。
『コンビニに行こうと思って歩いてたんすよ。そしたら知らないうちに此処に。』
ベルさん(仮)は何言ってんだこいつ、という目で見ている。いやマジなんですって。状況把握したいのはこっちなんですって。やめろそんな目で見んな。ってかお前には一度説明したはずだぞ。
「どういうことだァ?」
ごめんそれこっちも聞きたい。
どういうことって、だって分かんないし。どう説明すれば。
悩んでいると、ロン毛のあんちゃんは何か閃いたようだった。
「お前、月の守護者だろ」
開かれた口から出てきた言葉は私の理解を越える言葉だった。
は?という私の声は誰かのと重なった。誰あろう、ベルさん(仮)だ。
あんちゃんがさらに続けて例の予言の、というと、ベルさん(仮)は納得したようだった。
まって置いてかないで。
『え、守護?なに、月を守るの?』
「ちげぇ。守護者っていうのはだな、マフィアのボスが非常事態に陥った際に招集される、7人の幹部のことだ。」
『マフィア?なんでまたそんな物騒なのに巻き込まれてんの?面倒くさっ』
思ったことをやっぱりそのまま言うと、ロン毛は困ったように眉を顰めた。
「お前、あれだな。ふわっとした見た目で結構ズケズケものを言うんだな。」
『あ、それ褒め言葉?よく言われる。』
ロン毛は更に困った顔だ。ごめんって。そんな顔すんなって。
「褒めてるわけじゃねぇけどな。
まぁボスが来ねぇことにはどうしようもねぇ。そろそろ帰ってくるはずだから、こっちの世界の事を説明する。よく聞いとけよ。」
こんなもんか、とスクアーロさん(名前聞いた)が話終えるまで私もベルさんも静かに話を聞いた。