長編

□血色旅禍奇譚
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 第1話 『』





 カンカンカンカンッ!!!




 『瀞霊廷内に旅禍が侵入捕縛したと報告がありました!
 直ちに緊急隊主会を開きますので各隊隊長及び副隊長は速やかにお集まりください。
 繰り返します・・・』



突如、響き渡る警鐘。


知らせを受けた死神達は誰もが騒然とした。


誰一人とした旅禍が侵入した事に気付けなかったのだから。


警鐘が鳴る事もなく瀞霊門が突破されたのだ。


死神の間に緊迫した空気が流れる。


そんな中、各隊の隊長副隊長が続々と集まってきた。



乱菊「あらぁ、恋次じゃない」


恋次「乱菊さん、日番谷隊長」



名を呼ばれ振り返るとそこには十番隊の隊長副隊長が立っていた。


自然と歩調を合わせて共に一番隊に向かう。



乱菊「朽木隊長は一緒じゃないの?」


恋次「俺、鍛練場から直接こっちに来たんで」


日番「旅禍を捕えたのは三番隊らしいな」


乱菊「そうみたいですねー。
  まったく運がいいのか悪いのか」



見つかった時点で運が悪いと言うべきなのだろうが、

もし見つけた隊が11番隊や12番隊だったらと思うと運が良いように思える。


そうこうしている内に目的の部屋へと到着した。



日番谷を先頭にガララッと戸を開けると既に他の隊長副隊長が揃っていた。


そして部屋の中央に座り込んでいた集団と目が合った。



恋次「(こいつらが旅禍・・・?)」



集団の中にはまだ年端もいかない子供の姿もある。


ひとまずそれぞれが定位置に並んだ。


両端に隊長が並びその後ろに副隊長が並ぶ。


その光景を見て旅禍、メカクシ団は頭を寄せ合い緊急作戦会議が開かれた。



キド「また人が増えたな」


シン「もう嫌だ・・・帰りたい・・・・」


  「シン、大丈夫だから落ち着いて」


アヤ「そうだよ。
  皆もいるんだし」


カノ「でも本当にココ何処なんだろうねぇww」


セト「なんか妙に和風な感じッスね」


貴音「さっきのアナウンス聞いてる限りじゃここにいる奴らが隊長副隊長って事ね」



ヒソヒソと辺りを気にしながら話し合うメカクシ団。


見知らぬ人達に囲まれた現状にシンタローが既に涙目だ。


突如、鋏を取り出したシンタローに周りが一気に慌てた。



シン「うぅ・・・」


  「Σあぁっ!!?シンタロー!」


アヤ「だ、大丈夫だよ!
  きっと何とかなるって」


キド「だからその鋏離せ!!!」


カノ「わぁぁあ!!シンタロー君落ち着いて!!!」


モモ「お兄ちゃん!?」



自身に鋏を突き立てようとするシンタローを必死に止めるメカクシ団。


しかしその拍子に体勢を崩しドサドサと倒れ込む。


そんな中でもシンタローを自身の腕の中に庇い鋏を取り上げた鞠亜はすごい。



山本「して、お前達は一体何者じゃ?」



全員が倒れ込んでいる姿のまま声をかけてきた老人、山本総隊長に視線を向けた。


随分と威圧感を感じる老人だ。


だがその前に・・・。



  「ご老人、ひとまずその圧力どうにかなりません?
  ウチの繊細なシンタローが最早死にそうです。
  ご質問はその後に」



にっこりと読めない笑みを浮かべそう言い切る鞠亜。


その腕の中では確かにシンタローが息を詰めて震えていた。



アヤ「シンタロー可愛いっ!!
  マリア、そこ変わって!」


  「だが断る」


マリ「マリア×シンタロー! hshs」


モモ「いや・・・ココは、
  ヘタレ攻(お兄ちゃん)×抱擁受(マリアくん)も捨てがたい」


ヒヨ「いやココはマリアさん×シンタローさん×マリアさんも・・・」


  「お願いだから勘弁してください」



視界の端で盛り上がっている腐界に真剣に頭を下げる鞠亜。


その光景に誰もが鞠亜に同情の視線を向けるのだった。



山本「して、お前達は何者じゃ?」



シンタローの様子に寄り合えず威圧感は抑えた山本が再び彼らに問う。


そんな山本の問いに鞠亜達は互いに視線を合わせた。


そして誰もがニッと笑ったのだ。


不敵に、強気に。



キド「俺達は・・・」



全員「「「「「「「「「「「「「メカクシ団/です/ッス」」」」」」」」」」」」


死神「「「「「「メカクシ団???」」」」」」


  「簡単に言ったら単なるサークル・・・ぁー、集団みたいなものです。
 普段は任務と称して様々な仕事を請け負う所謂何でも屋みたいなものです」
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