pixiv(スタマイ)
□もしも泉玲が草摩家の人間だったら
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"住む世界が違う"。
"釣り合わない"。
今まで散々、言われて来たフレーズであり常々その身に痛感してきた。
でも・・・、
それでも、と手を伸ばそうとした。
そんな未練がましくしていたからきっと罰が下ったんだろう。
仮初の自由と出会いの中で起きたいくつもの奇跡以上の事を望んでしまったから。
だから・・・私達の"神様"の怒りを買ってしまったんだろう。
***
「お疲れ様です。
お待たせしてしまったすみません」
そう言って玲が訪れたのはRevelのご用達のとあるバー。
テーブルには既にRevelメンバー全員が揃っており軽く挨拶を返したりして迎えてくれた。
今日は桧山にスタンド案件の書類を届けに来たのでそのまままっすぐ桧山の元へと向かう。
桧山も承知していたのだろうすぐにテーブルを変えて一先ず仕事の話に入った。
とは言っても書類を渡すだけなので桧山が中身の確認を終えればそのまま直帰できる。
おそらくRevelにもその情報が入っていたのだろう。
案の定、待ってましたとばかりに羽鳥が玲を誘い桧山と槙は優しく受け入れ神楽は文句を言いつつも一つ分のスペースを開けてくれた。
しかし、いつもは笑顔でRevelの誘いに乗ってくれる玲だったがその日は違った。
「すみません。
このあとちょっと用事が・・・」
ちょっと申し訳なさそうに謝る玲にRevelも少し虚を突かれた。
仕事先には直帰していいと言われているという情報が既に入っている。
その場合、彼女が彼らの誘いを断る事は今までなかったからだ。
「へぇ、妬けちゃうな。
玲ちゃんに振られちゃうなんて。
用事ってもしかして彼氏?」
「かっかれ・・・っ?!」
「ちょっと羽鳥!」
ボッと音が聞こえるくらい一気に顔を赤くさせる玲と鋭い声を飛ばす神楽。
そんな神楽に矛先が向かったのか羽鳥はニンマリと楽しそうな笑顔を浮かべて視線を神楽に移す。
「あれぇ〜?
やっぱり神楽も気になっちゃう?
玲ちゃんの彼氏がどんな人なのか」
「そんなわけないでしょ!!」
「ちっ違います違います!
そもそも彼氏じゃないですよ!!」