【書庫】銀×月小説【Short】

□―衣装の取り替えって結構楽しい―
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「………。
きゃあああああ、変態!
お母さん助けてェ!
ここに私を狙う変態がいるわァァァァァ!!」
「黙りんす!
最初にパンツはいてるのかと聞いてきた主に言われとうないわ!」
「じゃあ、これはどうじゃ。」
「嗚呼?」


わっちの思い出したように言う言葉に、銀時は方繭を上げる。
その表情は何処か快く思っていないようだ。


「わっちが主のズボンを着て、主がわっちの網タイツを履く。
どうじゃ?」
「……うん。
どうじゃ、って言われてもねェ……。
俺、なんも得しねぇし、誰も喜ばねぇよ!」


白目をむきながら反論する銀時に、わっちは鼻で笑う。
奴はドsじゃ、打たれ弱いはず。
いつもこっちが奴の性格のせいで弄られるのも、癪に触る。
たまにはやり返してみるのも良かろう?


「なんじゃ、やらぬのか?
気の弱い男じゃのう。
ここにはわっちと主しかおらぬ、わっちの部屋じゃ。
わっち以外観客はいないはずだが?」
「テメェに見せて何の得があるんだよ!
俺に醜態晒させるつもりかァ!」
「醜態?
果たして、どんなもんかのう。
銀時の容姿だったら、それなりの格好は出来ると思うが。」


その発言に銀時は言葉に詰まる。
お、照れておるのかの?
それとも、予想外の発言にびっくりしているとか。
なら、もうちょっと攻めてみるか……。


「銀時は睫毛も長いし、切れ長の目をしておる。
そして、その吸い込まれそうな紅い瞳。
その暑苦しい天然パーマも可愛げがあって……。」
ここまで言ってハッとする。
銀時がドsの心を開花させた表情、ニヤニヤした顔でこちらを見ていたからだ。


「なぁに、月詠ちゃーん?
俺のそんな細かいところまで見てるの?
あらー、銀さん惚れられちゃった?」
「た、たわけ!
そんなわけないじゃろう!」
「じゃあ、随分前に聞いた“これ以上わっちの心をかき乱すな”ってどういうことー?」
「………。」


内心ドキリとした。
わっちが奴に気を紛らわされていることではない、奴がわっちの言葉を覚えていたことに。


「……銀時。」
「嗚呼?」
「……嫌、なんでもない。
惜しいなー、網タイツはいてくれたら、ただ酒を御馳走したなになー。」
「何ィ!?
それってあれか!?
わかめ酒やら、あわびの踊り食いやら、栗拾いまでやってもいいのか!?」
「わっちが特上の遊女を紹介してやるでありんす。」
「よっしゃぁ、乗ったァ!
月詠、網タイツ脱げ!」
「大丈夫じゃ、着替えがある。」


わっちはタンスから網タイツを取り出し、銀時に手渡す。
そのまま銀時は着替えるとか言って、わっちの部屋に篭った。
わっちは自分の部屋から出て行き、銀時が着替え終わるのを待つ。
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