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□琥珀の眠る夏空よ
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「ここが落ち着くんです」



そう語るシロウの眼には私なんて映ってなくて、
貴方の目の前に私がちゃんといるのに、そう考えるととても悲しくて、寂しかった

でも寂しいのも、悲しいのもシロウもきっと一緒

じゃないとこんなに広大で、真っ赤な炎に、死の匂いに包まれた世界に一人でいられる筈もない
…そうであってほしいと願うのは、私もひとりぼっちの寂しさを知ってるから


「このような場所に長居は無用ですよ、マスター
貴女には青空と海、それらの輝きの方がよっぽど似合う」

「…そんなの、ゆるさない」

「マスター?なにを、」



胸の鼓動に急かされるまま、シロウの手を取る
驚いたように開かれた眼は、ハチミツがこぼれるみたいにまん丸の形
繋いだ手を振りほどかれる気配はなくて、私はこっそりと小さく息をついた

そして私はシロウの手を無理やりに捕まえて、こっちを向かせた理由から顔を引き締める
勝手にここを自分の居場所だなんて断言することも、そんな事を言ってくれたシロウも許さない



「ここが貴方の居場所だなんて、私は認めない
貴方の居場所は──私の隣でしょう?天草四郎時貞」



私までここを貴方の居場所だなんて認めてしまえば、それこそ救いなんてないから
青空と海は大好きだよ。でもね、それ以上に私は貴方を愛してしまったの

愛したひとをひとりぼっちにするくらいなら、この世界で窒息死した方がマシだ!







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