日々の殺意

□殺したいお前。
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母さんと呼べる人間が私を置いて行ってから今年で17年になる。

それまでの長い期間、私がいじめや父さんの祖母に育てられてジェネレーションギャップを培った様に、母さんだって何もなかったワケじゃなかった。

再婚と、二度の出産。

トータルで四人の子を産んだ母さんだけど、子育ては全くの初心者。

そのせいか、ちょうど十歳離れた義妹のハナは傲慢な女王様の様にブクブクと育っていった。

私の一族は女性が肥満体質らしく、大半が太ってるけど…コイツは何故かやたらとムカつく。

紛れもない、デブ。

しかも日焼けしてるから、まるで黒ブタ。

顔立ちが可愛らしいせいか、私とは違い過ぎるせいなのか。

純粋なヒガミなのか、姉として純粋に心配する気持ちがあるのか自分でも全くわからない。

だけどコレだけは言える。

私はコイツが嫌いだ。

大っ嫌い。

愛されるのが当然だと思ってる所とか、ズルズル長い黒髪を持たされてる所とか、幼稚なコトを言えば、私から母さんを完全に奪い取った所とか。

期待してたんだ。

いつか、もしかしたら…。

もしかしたら、また一緒に暮らせる日が来るかもしれないって。

母さんの娘に戻れる日が来るかもしれないって、期待してたし、願ってた。

…なのにコイツが産まれた。

嫌いよ。

当然の様に私の存在価値を奪っていく。

どうしたらこの殺意は消えるんだろう。

悔しくて、憎くて憎くてたまらない。

私にないモノばかりを持ってるくせに、ワガママばっかり。

それを許す周りも大嫌い。

だけど………。

面と向かって何も言えない自分が、一番嫌い…。
 

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