焔の光 ‐鬼‐

□焔の光 ‐弐‐
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「とりあえず実力を知りたいところだが・・・千寿郎と話がある故、基礎でもやっててもらおう。屋敷周り5000周」

(ご、ごせんしゅうー)

「あ、兄上いきなりそんな・・・」

『・・・行ってまいります』

荷物を下ろし、屋敷の外へ出た

到着していきなり
5000周、兄様より鬼畜だ。鬼かもしれない

やっぱり兄はあたしに甘かったんだなと実感しながら走り始めた

煉獄家、阿呆ほど大きいぞ!

(しぬしぬー!肺が痛いを通り越して破裂しそーだ)

そう思いながらも辺りが暗くなっても走り続けていた


杏寿郎ははっと暗くなっていることに気づき読んでいた書物から顔を上げた

今日任務が休みなのもあり読み耽ってしまった

大抵の者は5000周と聞いて逃げ出すか、もういいと言うまでダラダラ歩いているかだが寧々はまだ走っていた

(呼吸もしっかりしているな)

“甘えが出るから嫌だと言われた”と宇髄が言っていたのを思い出す

暗くなると鬼が出るかもしれないと、途中から煉獄さんも一緒に走ってくれ、何とか5000周終わらせた。

「感心感心!先に湯浴みしてきなさい」

とお風呂へ案内された

すっごく疲れた、眠い・・・

何度も湯船に沈みそうになりながら何とかお風呂から上がると

『いい匂い・・・』

千寿郎がご飯を作っていた

「もうできますよ」

『お手伝い・・「こっちへおいで」』

言いかけたところ煉獄さんに手招きされた。ぽむぽむと床を叩き自分の隣に座れと言っている

「疲れただろう、座りなさい」

千寿郎を見ると頷いているのでお言葉に甘えて座らせてもらった

「兄上、寧々にお使いを頼んではだめですよ」

ご飯をよそいながら千寿郎が言った

『・・・え!?なんで』

「地図を持ってあんな町外れに居たので、地理を覚えるまでは僕か兄上と行動してください!」

「そうか!寧々は方向音痴か!」

(・・・)

自分の弱点を知った瞬間だった


三人で食卓を囲み「いただきます」と揃って手を合わせた

「うまい、うまい、うまい」

煉獄さんが一口食べるごとに言ってるのを見て思わず笑みが零れる
(あ、おいしー)

お味噌汁を一口飲んだら癒やされる。優しい味が染み渡る

限界

ことっとお碗を置いたら瞼が下がってそのまま後ろへ倒れていった
瞬間、隣に居た杏寿郎の手が伸びてきていた

「よっぽど疲れていたんですね」

「そのようだな、千寿郎、蒲団を敷いてくれるか」

くすくす笑いながら千寿郎は隣の部屋へ行き蒲団の準備をした
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