焔の光 ‐鬼‐

□焔の光 ‐弐‐
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地図を頼りに煉獄さんの住む屋敷へ向かっていた

向かっていたのだけれども・・・

『ここどこだろ』

見事に迷子になっていた

と、遠くからこちらに向かってくる夕日のような髪

『煉獄さー・・・ん・・・?』

なんか前見た時より小さい、そしてなんか可愛い。

「・・・?」

うろうろしていても仕方ないので地図を見せて道を訪ねてみることにした

「あ、兄上のお客様ですね、今から帰るところなのでご一緒に」

と弟の煉獄千寿郎と名乗った彼に着いて・・・かなり歩いた

「こちらでお待ちください。兄上を呼んでまいります」

そう言いながら彼は屋敷の奥へ入っていった

「待ちわびていたぞ、うまい妹!」

『うま・・・?』

「宇髄さんです!兄上!宇髄寧々さん」

「そうか!」

『はい、宇髄寧々です。ごめんなさい、迷ってしまって・・・

先日は助けていただいて本当にありがとうございました』

ぺこりと頭を下げると

「無事で何より」と頭を撫でてくれた

(兄様みたいだ)

『千寿郎さんも、ありがとうございました』

「千寿郎さん?!千寿郎とお呼びください!寧々さん」

『・・・え、寧々さん!?・・・寧々と・・・お呼び、ください』

言いながらふふと顔を見合わせて笑った

「寧々は兄上のお弟子さんになるんですね」

「うむ!寧々、怪我はもう良いのか?」

あ、ちゃんと名前覚えてくれた

『はい、大丈夫です』

「とりあえず父上の所へ参ろう、共に生活するのだ。挨拶が必要だろう」

『はい』

正座をして「お世話になります」と挨拶をしたのだけれど煉獄さんのお父様は蒲団に横になり、背を向けたままだった

「どうせ使いものにならん」

何かをした訳では無いが、グサリと言葉が刺さる

杏寿郎は弟子にした事、帰らない日はここへ寝泊まりすることを父につげ、ぺこりと頭を下げて寧々の手を引き父の部屋を出た

『ごめんなさい・・・』

俯いて粗相をしたかもしれないと謝る寧々に慌てて杏寿郎は言った

「なぜ寧々が謝る。すまない、気にするな・・・いつもの事だ」

ふわりと寧々の頭に置かれた掌に顔を上げると少し寂しげな杏寿郎の顔が目に映った
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