焔の光 ‐鬼‐

□焔の光 ‐弐‐
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杏寿郎は準備ができるまでの間寧々を支えていた

(小さな体で無理をさせ過ぎたか)

腕の中の少女は弟とさほど変わらない体付きだ
鬼に狙われる稀血で、目の前で母親を喰われ家族を失い、村を滅ぼされた過去を持つ子だと聞いた

いざ鬼を倒すとき、臆するかもしれないと宇髄は言っていた

森で助けたときは怪我を負いならも宇髄とその妻達に囲まれ幸せそうに笑っていた


杏寿郎は寧々を抱き上げそっと布団へと寝かせた


翌朝

(体が動かない)

目が覚めたのに鉛のように重い
拾われてから宇髄家でそこそこ修行をしてきていたのでそこらの人より動けるはずなんだが・・・

トントンッと襖を叩く音がする

「寧々起きてますか?朝餉が出来てますが・・・」

千寿郎の声がする

『せんじゅろー・・・動けない・・・』

「え!?開けますよ!!」

昨日の5000周が体にこたえたようだ

「朝餉運んできますね。昨日も食べてないからお腹空いたでしょう?」

千寿郎から話を聞いた杏寿郎が顔を出した

「すまん!無理をさせ過ぎたな。今日は一日休んでいると良い」

二日目にて布団の中とは・・・

『情けない・・・』

今日は庭で鍛錬をする煉獄さんを眺めてるだけだった

素振りしてる姿がとても綺麗だーと思いながらまた眠りに落ちていった

3日後起き上がれるようになり木刀で手合わせをする

煉獄さんの一撃、ものすごく重い
受け止めると腕がビリビリす

やっぱり兄はあたしに打ち込む時、手加減してたんだと実感する


(動きは驚くほど速い、だが圧倒的に力が足りない。女子で体も小さい・・・)

どの戦法が最善か杏寿郎は考えながら剣を振るっていたら一際強く打ち込んでしまった

『わぁあ、ごめんなさい師範』

寧々の握っていた木刀がカランと音を立てて地面へと落ちた

(もっと飛んで行くと思ったが・・・力を受け流すのが上手いのか)

「ふむ!少し休憩にしよう」

『はい!』

寧々拾い上げた木刀にはひびが入っていた

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