脱色

□それは、エクスタシー
2ページ/4ページ

「ちょっと痛いかもしれないわよ?」

「…痛くないようにしろ」








ノイトラの髪を耳にかけ耳朶を露出させると、ネリエルはピアスの先端で空いているはずの孔を探す。






季節は…冬。





寒さ故か孔は収縮しきっていて、ピアスの先端、ほんの僅かな先だけでも孔は飲み込もうとしなかった。



そしてノイトラは人一倍痛みに弱い体質。
他者に痛みを与える事は得意分野であるものの、自身の体を襲う僅かな痛みは一切受け付けようとしなかった。










「あなたってば案外、ビビリよね」








痛みという刺激に強いネリエルは、呆れながら呟く。






ノイトラの耳朶の丁度中央に窪みを発見するとそこに、丸く加工されてはいるが針にも似ているピアスの先端を、押し当てた。
















「じゃあ…いくわよ?」









通常なら声をかけた後一拍か二拍程間を置いて差し込むのが、道理だろう。
しかしネリエルは言い終えるか終えない内に、勢いよくノイトラの孔へそれを押し込んだ。








元より貫通しているノイトラの孔は、針の先端が出口までの道のりを迷う事はしなかったものの、内部は遥かにきつく。



…きつく。







それはまるで、処女を奪うような。










ノイトラが痛みに表情を歪めた時、ネリエルの背筋がゾクリと震えた。世の男の誰もが持つとされる処女願望が、まさか自分にあったとは。

















痛みに耐えるノイトラのその表情で、快楽を得る───…。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ