脱色

□Knock Three Times
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必死でノイトラの腕より逃れようとする、ネリエル。

己の腕の中でもがくネリエルを更に強く抱き締める、ノイトラ。







攻防が小一時間ばかり続いた頃、ネリエルが諦めたと言わんばかりに全身の力を抜いた。


ネリエルの柔らかな体が、ノイトラの体に埋まって。





互いの体温が伝わり合う。








「最近、二人きりでゆっくり会えなかったものね」






ネリエルの声が響いた。
それは静かに、とても澄んでいて、ノイトラの心を落ち着かせる。








「寂しかったんでしょう?ノイトラ」









ネリエルは己を抱き締めるノイトラの腕を解すと、そのままベッドに倒れ込んだ。

ノイトラの背に、シーツの温もりが徐々に伝わる。








先のネリエルの言葉が気に入らなかったのか、ノイトラは舌打ちをし、ふてくされたように顔を背けた。

ネリエルの笑みを、視界端に残して。






「あァ?何言ってんだ、馬鹿野郎。アレだよ、アレ!…俺は体温が低いからな。この時期は冷えて仕方無ェんだよ」
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