脱色
□あなたとの距離、あと20センチ
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………一つに、なりたかった。
せめてもと、可能な限りは愛する人との体温の共有を望む二人。
それなのに、その願いは満足に叶う事は無かった。
いくら抱き合っていても、ノイトラの胸板に当たるネリエルの雌の膨らみ。
二つの、柔らかな乳房。
豊満で柔らかなネリエルの乳房は、ノイトラと深く密着する事を拒むように、ネリエルの胸元に存在していた。
思うようにネリエルの身体に触れる事が出来ないノイトラは、苛立ちを見せる。
ネリエルの乳房を押し潰すように抱き締めれば、ただネリエルは苦しがるばかりで。
「てめぇの乳のせいで、二十センチは距離あんぜ?引っ込めろ!」
「行為の時は揉んでばかりいるクセに!無くなったら困るんじゃないの!?誰かさんは」
「…うっせェ。デケェ乳してるてめぇが悪いんだろうが…」
「男の性だ」
そうノイトラがネリエルの耳元で呟けば、ネリエルの脳裏にノイトラの手指の感触が蘇った。