オルタナ 1
□第4話
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「ミウちゃん気をつけて! そいつホントに強い!」
スピカが声を荒げるが、ミウにしてみれば、とっくにそんな事は身をもって感じているだろう。
お互い鍔迫り合いを解き、距離を置く。ザンは汗一つかいてもいないが、ミウは既に肩で息をしていた。
「なぁ浅倉ヒロ、お前はどうして命を狙われているか自分でわかってるか?」
ザンは軽くたずねる。ここでミウは気付いたが、もうザンに先程までの殺気は無かった。
「いや……俺はわからない。でも多分この力のせいなんだろ?」
ヒロもザンの変化を察知したのか、幾分か砕けた口調で話す。
「まぁ……半分正解ってとこなのかな。なぁミウ?」
ザンはミウを見てにやっと笑う。ミウはちっと舌打ちし、斬りかかった。
「キサマは口が過ぎるな!」
「お前の息が整うまで待ってやったんじゃないか」
ザンはミウの剣を受け流し、脇腹に横蹴りを入れるがしかし、ミウも翼でそれを防ぐ。
だが、翼によってミウに死角が出来てしまう。ザンはそこを見逃さなかった。すぐさまミウの横を駆け抜け、ヒロに直進する。