オルタナ 1
□第3話
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「はい」
『ヒロちゃん? おはよー』
どうやらアカネのようだ。ドアを開けると、やはり見馴れたショートカット。
「よお、おはよ」
「へへ。あ、ミウちゃん、スピカちゃん、おはよー」
アカネはミウとスピカを見知っている。
彼女だけでなく、レイジやキリコといった、ヒロと親しい友人には知らせていた。
もっとも、神族や魔族の事は隠して、だが。2人は、ヒロの親戚だという事にしている。
「で、今日はどうしたんだ?」
「どうしたって……一緒に学校いこ?」
「ああ、そうだな……ってちょっと待った! それはマズイ!」
「マズイって何でよぉ。せっかく来たのにー」
ヒロ達の視線が泳ぐ。アカネを毎朝のアレに巻き込む訳にはいかない。
「いや、ほら……まだ用意が、な?」
「出来てるし」
「いや、ほら……ワタシ達はまだ心の準備が、な?」
「いらないし」
「あ、そうだよ! あたし達まだ準備運動が、ね?」
「そんなの、もっといらないし」
全く引き下がろうとしないアカネ。