オルタナ 1
□第2話
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「私に勝てば遅刻は免じてやろう。我がニ年C組は全てにおいて実力主義だ。貴様らもよく見ておけ」
サイコは指をポキポキと鳴らしながら、他の生徒に告げた。
『ヒィヤッハー! いいぞサイコ先生!』
『さすが桜景学園の聖帝!』
『汚物は消毒だー!』
やんや、やんや。
「ちょっ、ほんと、カンベンして下さい。以後気をつけますから。──ってお前らも煽んじゃねーよ!」
「問答無用! 行くぞ!」
「げっ!」
まさにサイコの鉄拳がヒロに襲いかかろうとしたその時、だった。ガラガラッとドアの開く音が教室に響き、ライトブラウンの髪の伊達男が現れたのだ。
「すんませ〜ん遅刻しました〜って、ヒロ、またお前も遅刻かよ!」
「……レイジ、お前も人の事言えないだろ」
この全く空気の読めていない男子生徒は、高野レイジ。
彼の登場により、サイコは殊更に怒りを爆発させる。