オルタナ 1
□第10話
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『浅倉ヒロ君、どうだい? そうやって縛り付けられて、僕に命を握られている感想は?』
ヒロの髪を掴み上げ、言った。
「……気に入らねぇ」
『んん?』
「気に入らねぇって……言ってんだあぁっ!」
ヒロの身体から更にゾーンの光が放出される。
その力に思わず不死者もたじろぐ。
『うはぁっ! キミ、ほんとにやるねぇ。でも、これならどうかな?』
不死者は更に濃い霧をヒロに向かわせる。
しかし、ヒロが一睨みすると、それはヒロの目前でかき消される。そして、手足を縛り付けていた霧も、ゾーンの力によりいつの間にか消えていた。
「いいか、よく聞け! 俺に用があるんなら、何で真っ直ぐ俺に言ってこない? どうして……」
ヒロはここでぐっと右の握り拳を作る。
「スピカを拐ったんだああああっ!」
ヒロの怒りとゾーンの力を込めた拳が不死者の頬に炸裂する。
『ぐぁっ!』
ミウの剣は通じなかったが、ヒロの一撃はどうやら不死者にダメージを与える事が出来たようだ。