オルタナ 1

□第6話
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「っしゃあ! 世界史終わったぁ〜」

 ミウとスピカが編入してきて一週間が過ぎた。
 脂ぎった中年教師の授業が終わると、ヒロはそれまで全身に込めていた気合いを開放し、机に突っ伏す。

「ヒロ、どうしたんだ。具合でも悪いのか?」

 廊下側前方の席からミウが即座に駆けつける。

「いや、ただ今日は田辺の愚痴がいつにも増して酷かったから、さ」

 かみさんにも娘にも相手にされない哀しき中年は、こんな所で愚痴をこぼすしかないらしい。

「あたしもあのオッサン嫌い! ムネばっかり見てくんだよぉ」

 今度は窓際後方の席からスピカがやって来た。
 編入初日、サイコは、面倒だから二人の席は浅倉の近くだ――と言ったが、ヒロがそれを頑なに拒んだ。

 何故なら、

「キサマのそのこれ見よがしで醜悪なパツンパツンがいけないんだ。少しは自重しろと言っているだろう」

「だって、ねぇ? アルんだからしょうがないじゃない? ナイ人には一生分かんないだろうけど、ね」

「なんだとぉ!」

「なぁによ!」

 こうなるのが分かりきっていたから。
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