オルタナ 1
□第3話
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「ヒロ、朝だぞ。って、ええ!?」
朝の弱いヒロを起こすのは、ミウの日課である。
だが、今日は少し違った。
「おはよ、ミウ。どした?」
「いや……おはよう。ヒロがもう起きてるなんて珍しいな」
「なんだよ、俺だってたまには早く起きるって」
いつもなら、まだ眠いとぐずりだすヒロだが、今日はしっかり目を覚ましている。
ミウは、毎朝ヒロの赤ん坊のような寝起きの顔を見るのが好きなので、少し残念だった。
「ヒロ……もう少し寝ててもいいんだぞ?」
「は? 何言ってんだよ。ほら、朝メシ食おうぜ」
納得がいかないそぶりのミウの背を押し、1階へ向かう。
朝食の準備をしているスピカとミオにも、同様に驚かれた。
朝食を済ませ、先に出るミオを見送り、ヒロも出ようかという時、更に珍しい事が起こる。
めったに来客の無い朝の浅倉家に、ピンポンとチャイムの音。