オルタナ 1

□第17話
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 陽射しが優しく、清々しい休日だった。
 ミウは1人、繁華街を歩いている。
 街はミウと同年代程の若者で賑わっていた。

 そんな中を銀髪の少女が歩くのだから、やはり人目についてしまう。
 しかしミウはお構い無しとばかりに、ただ目的地へとひたすら歩を進める。

 ミウがここに来た理由――こうみえて彼女は、人一倍おしゃれに気を使うのだ。

「たまには息抜きでもしてきなさい」

 そう言うミオから臨時収入を得た。
 その瞬間、ミウの頭の中は、ファッション雑誌で見たあんな服やこんなスカート、そんなブーツでいっぱいになった。

 本当は隣にヒロがいて欲しかったが、たまの休日くらいはゆっくり寝かせてあげよう、という訳なのだ。
 ついでに、あの小憎たらしいサキュバスも。

 だが、ふと考えてみると、1人で街を歩くなど滅多に無い事だ。
 いつもすぐ隣に身長174cmの少年がいる環境で過ごしてきた。

 世界の広さを感じる。陽射しが、風が、浅倉ヒロを通さず自分だけに直射する。

 ミウの心境は、はじめてのおつかいに挑戦する幼な子のそれに近かった。
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