オルタナ 1
□第13話
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七不思議。
小、中、高問わず、どこの学校にでもあるものだ。
無人の音楽室で、ひとりでに鳴りだすピアノ。
深夜の理科室、動く人体模型。
旧校舎、一段増える階段。等々。
どれもこれも、カビの生えたような話ばかりである。
だが、そのカビは確実に人の心に侵食する。
『そんな話デタラメだ』と思いつつも、胸の奥底では『でも、もしかしたら……』となるのが人というものだ。
桜景学園でも、ヒロが二年に進級した頃から、少しずつではあるが、確実に浸透している噂があった。
『ねぇねぇ、あの噂知ってる?』
『え? どんな噂?』
『ほら、今はもう使われてない特別教室あるでしょ。あそこにさ、人喰い鬼がいるって。そんでさ、夜中になると教室を抜け出して……』
『……抜け出して?』
『……なぁんて、ね。バカバカしいよね、そんなの』
『そ、そうだよねぇ! でも……』
『うん。コワイけど、ちょっと面白いかも……』
ふふふ──
あはは──