オルタナ 1
□第10話
1ページ/8ページ
『うん? なんだって?』
ゾーンの力によって拡散した霧は一つにまとまり、やがて人型を形成した。
そしてソレはヒロに向かって顎をくい、と動かす。すると倒れていた男達が起き上がり、再びヒロに襲いかかる。
ゾーンの光を全身に纏ったヒロは、男達に向けて右手をかざした。
「……気に入らねぇ」
またもや吹き飛ばされる男達。
『じゃあ、これはどうだい?』
霧がヒロの手足にまとわりつく。さっきミウが受けたものと同じようだ。
「ヒロっ! それは危険だ!」
壁に押し付けられるヒロ。ミウは不死者と思われる人型に斬りかかる。
「キサマぁっ!」
だが、何度斬りつけても手応えはない。やはり物理攻撃は通用しないようだ。
『冷静に見えてミウちゃんってさ……激情家なんだねぇ』
不死者はミウに蹴りを放った。ミウもガードするが、その威力は凄まじく、後方の壁に激突する。
「ぐぁっ!」
そして不死者はヒロに直進した。