オルタナ 3
□第67話
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「うーん、まいったな」
C組では、頭を抱えるレイジ達。店内は閑古鳥が鳴いていた。
やはりシークレット・ムーンが相手では分が悪い。エロの力は偉大であるという事か。とにかく、桜乃市の夜の堕天使・ラヴちゃん人気が凄まじいのだ。
「いっそのこと、こっちは脱衣メイドぐはあっ!」
「はいはい! 今のうちにちょっと休憩しましょ! 手の空いてる人から順番ね。気分入れ替えないとやってらんないわよ」
キリコの提案は正しかった。何しろ今テーブルに着いている客は、ラブラブ岡崎ペアシートだけなのだから。
これに真っ先に呼応したのはスピカとアカネだ。二人の行き先は、もはや言うまでもないだろう。
「ヒロ君も一緒に休憩しよっ」
ここぞとばかりにヒロに抱き付くスピカだった。負けじとアカネはヒロのバックに回り、その背に飛び乗った。
「ヒ〜ロ〜ちゃん!」
「ぐわっ! 分かったから、な! 勘弁してくれっ」
勘弁してほしいのはこっちの方だよ──そんな視線の集中砲火を浴び、いたたまれなくなったヒロは、スピカとアカネをぶら下げたままミウの手を取った。
「よし、ミウも一緒に行こう!」
「えっ、う……うん!」
今更ながら、とんでもないハッピー野郎だよなこいつ──新たな視線の集中砲火を受け、そそくさと退散する浅倉大ハーレムだった。