短編と設定集
□キリリク短編
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「……ねえ、おねーちゃん、このヒロってまさか……」
「うん。このユキトってのもやっぱ……」
休日の土屋家。
小説を読むことが好きなキリコは、お手軽なケータイ小説を探していた。
彼女が目を付けたのは、大人気ケータイ小説ランキングサイト『ノーベルライン』。
そこで、つい最近登録されたばかりにもかかわらず、総合ランク1位に登り詰めた“とあるジャンル”の小説サイトを見付けたのだ。
いや、“見付けてしまった”と言った方が正しいのかもしれない。
「間違いないよね。てかさ、これ――」
「妹よ、みなまで言うな! ……明日顔合わせてもおちょくったりしちゃダメよ。あのコの性格上、そんなことされたら即サイト閉鎖するから」
「うん……そうだね」
皆さんも、もし友達らしき人の“そんなサイト”を見付けてしまったとしても、黙っていてあげて下さいね(はあと)。
「……おねーちゃんはヒロレイ推しだよね?」
「……そう言うアンタはヒロジュンでしょ?」
ニンマリ。
結論。ここには、ろくなキャラがいねえ。
→あとがき