短編と設定集
□キリリク短編
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「……もういい、分かったよ。部屋にいるからさ、晩メシできたら呼んでよ」
オカンの間の抜けた『はいよぉ〜』と言う声を背に、二階にある俺の部屋へ向かう。
なんだか今日は疲れた。ちょっと寝よう。
――っておい。
誰か、教えてくれないか?
どうして俺のベッドに女が寝てるんだ?
客って訳じゃないだろう。泥棒……でもないな。
もしや、ストーカーか?
まいったな、俺の魅力はそこまで女を狂わせるものなのかよ。
どれ、ちょっと寝顔を拝見。
歳は……ハタチくらいか? ヤバイ、モロにど真ん中ストライクだ。
――いいよな?
この女もそれを望んでこうしてるんだよな?
一階にはオカンがいるけど、そんなもん関係ねえ。
この藤崎シオリに、名前だけじゃなく、真のときめきなメモリアルが訪れようとしてるんだ。
フ……、出会ったばかりの女とかよ。まあ、それも悪くねえ。
俺は、上は学ラン、下はケ〇ロ軍曹のトランクス一丁という、よく考えればかなりマヌケな格好で布団をめくり、女にのし掛かろうとした。
その時だ。
「……あ?」
「あ……?」
女がぱちくりと目を開けた。開けやがった。
その視線が、俺の顔あたりから下へと降りて、ケ〇ロ軍曹のトランクスへと到達したであります!