短編と設定集
□キリリク短編
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いきなりだが、俺は自分の名前が大キライだ。
まったく、俺の親はどうかしてる。なんで男の俺にこんな名を付けたんだよ。
「お〜い藤崎ぃ、一緒に帰ろうぜぇ」
そう声をかけてきたのは中嶋ケンジ。――まぁ、俺の悪友ってやつかな。こいつについて紹介でもしようかと思ったけど、やめ。
だってこいつ、これで出番終わりだから。
「何ぶつぶつ言ってんだよ藤崎」
「……何でもない。んじゃ帰るか」
俺の通う桜景学園から家までは、徒歩でもそんなに時間を食わない。
まあ、そうでもなけりゃあ、こんなむさっ苦しいヤツと一緒に帰る気なんて起きないしな。
――なんて言ってるうちに、もう家に着いちゃった訳だ。この辺はまあ、短編だからな。省略できるとこはどんどん省いていこう。
「……お前本当に大丈夫か? さっきからいったい何を……」
「ん? ああ、だから何でもないって。――じゃまた明日な、中嶋」
中嶋よ、お前はほんとにこれで出番終わりだぞ。
次の機会……あればいいな。