短編と設定集
□残暑
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アタシは何回か来てるからもう馴れたけど、男の一人暮らしって皆こうなの? 何で玄関にコンビニ弁当の空箱が散乱してんの?
後ろ手にドアを閉め、ふうと一息つく。ここから気合い入れないといけないからね。
さっき買ってきたゴミ袋を出して、玄関から順に拾い集めていく。
ワンルームだから意外とすんなり部屋の前までキレイに出来た。さて、問題はこれからだ。
ドアを開ける。アイツは多分……ああ、やっぱりね。
「こらあっ、起きろバカレイジ! せっかく来てやったのに何なのよコレはぁっ!」
「んぁ……お前何でいんの?」
コイツは……。
「なんでって、アンタが来いって言ったんでしょうが! もう、ちょっとは掃除しなさいよ! 足の踏み場無いじゃないのよ!」
「……そっか、今日だったな。わりぃ、まぁ座れよ」
レイジはガシャコン、とベッドをソファーの形にして、自分の横をポンポンと叩いた。そこは近すぎるから、ちょっと離れた所に座ろう。