裏★小説

□罰ゲーム
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確かにデュエルしたいと言ったのは自分だし、負けたら勝った方の言うことをなんでも聞くという罰ゲームを承諾したのも自分だ。
だけど、

(何でこうなったんだっけ…?)

無駄に広いキングサイズのベッドの上で男二人に組み敷かれながら、十代は呆然としていた。



『罰ゲーム』



「あ、あの…遊戯、さん…海馬さん…?」
「ん?どうした?十代くん」
「何だ?」
「いや、あの…その…何でオレ、押し倒されて…」

目をぱちぱちと瞬(しばたた)いて、十代は自分の上に覆い被さる遊戯と海馬を見上げた。
まるで状況が分かっていない十代の無垢な瞳に、海馬の口元がつり上がる。

「言っただろう?罰ゲームだと」

海馬の指が十代の顎を持ち上げる。
強制的に合わせられた視線の先にある海馬の瞳には、ユラユラと劣情の火が灯っていた。

「で…でも…」

未だ状況も把握できず、いつもと様子の違う海馬に戸惑っていると、スッと横から手が伸びてくる。

「海馬の言った通りだぜ、十代くん。それに、負けたら何でも言うことを聞くと言ったのは君だろう?」
「……っ」

伸びてきた遊戯の手が、いたずらに耳の裏に触れてきて、十代はピクッと体を揺らした。
恐る恐る視線をずらすと、そこには美しい、けれど不適な笑みを浮かべる遊戯がいて、十代の思考は戸惑いから混乱へと変化していく。
海馬も遊戯も、いつもと様子が違う。
いくら鈍感な十代でもさすがに気付いていた。
だが、肝心な『どうして自分が押し倒されているのか』という部分を察することができる程、十代は鋭くなかった。

「確かに…言ったけど……」

嫌な予感がする。
何が、とまでは分からないが、確実に十代の本能は逃げろと警告を鳴らしていた。
十代が思わず起き上がろうと身を捩る。
しかし、それをむざむざ見逃しくれる程、目の前の男たちは甘くはなかった。

「おっと、どこに行こうって言うんだ?十代くん」
「俺たちがそう簡単に逃がすと思うか?」
「あ…っ」

ほぼ同時のタイミングで、遊戯に左手首を、海馬には右手首を掴まれ、シーツに縫いつけられてしまった。

「や…離し…っ」
「お痛はいけないぜ、十代くん約束を破る悪い子にはおしおきが必要かな…?」
「な…んぅっ、んんー…っ!」

逃げようと暴れていた十代は、遊戯に顎を掴まれ、強引に口付けられた。
唇の隙間から無理やり侵入してきた遊戯の舌に、口腔内を荒らされていく。
逃げ惑う十代の舌を捕らえて、遊戯は自分の舌を絡めた。

「ん…うっ…ふ…ん、んっ」

遊戯の舌に、舌を絡め取られ、歯列をなぞられて、上顎をなで上げられる。
あまりの激しい口付けで漏れ聞こえてくるピチャピチャという水音に、十代は耳を塞ぎたくなった。
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