◇宝物〜頂き物〜◇

□お誕生日に頂いたSS
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パラドックスとの戦いから数カ月が過ぎ。


遊星はいつも通り、D・ホイールの調整に勤しんでいた。



そんな時だ、違和感を感じたのは…

ふと腕を見れば、赤き竜の痣が光っていた。




これは、あの時…そう、まさに世界をかけ初代デュエルキング・オブ・デュエリストの武藤遊戯と、名も知れぬヒーロー使い遊城十代
と共に戦った以来の現象だった。


遊星の中を少しの不安がよぎる。

また、世界が危機にひんした状況に陥ってしまうのではないかと…

だが、その反面それでもいいと思っている自分もいた。
もう一度、彼に会えるかもしれないから。



しかし、あの時のように特に変わった…不思議なことがあるわけでもなかった。


…もしかしたらD・ホイールに乗っていないことが原因なのだろうか

そう思った遊星はヘルメットを持ち、D・ホイールに跨った。



………その時
………


ドガッシャーン!!



ガレージの奥で、何かが崩れ落ちたような音がした。


遊星はそれに驚き、急いで音のした方へと向かった。

遊星が到着すると、荷物のほとんどがグシャグシャになっており
何が起きたのか全く見当がつかなかった。

とにかく何があったか確かめるために
遊星は大きな荷物から順に退けていくことにした。

しかし…

ガタッ!

「っ!?」

ガタガタッ

遊星が荷物に手をつくようとした瞬間
物が勝手に動き出したのだ。


遊星が驚いていると突然、視界に赤が映った


思わず目を見開く。



まさか…いるはずがない…



そう自分に言い聞かせてしかし、そんな考えをことごとく打ち破るかのように
目の前の赤は遊星に話しかけて来た。


「よっ!遊星、久しぶりだな!」

「……じゅ、十代さん?!」

「なんだよ、その幽霊でも見た様な顔は…」

信じられなかった…でも、あの姿にあの強い瞳あれは間違いなく十代さんだ


「本当に?幻じゃないですよね」

「言っただろ?信じていれば絶対また会えるって…って、ぐぇ!」

遊星はまだ話の途中だというのに
ギュッと十代を抱きしめた。

十代は変な声を出しながらも決して拒むことなくそれを受け入れた。




いつまでそうしていたかは覚えていない
だがお互いにとってそれはとても短い時間のように思えた。

すると、ポンと遊星の頭に疑問が浮かんだ。

「それにしても、十代さんはどうやってここに?」

すると十代は一瞬キョトンとして困ったように頬を掻きながら答えた。

「え?!…あぁ、それがな…俺にもよくわからねぇんだ」

「は?」

「いや、旅してる最中にいきなりこっちに飛ばされたみたいでさ」

「どういうこと…っ!…まさか…」

遊星には一つ思い当たる節があった。

「お!遊星心当たりあんのか?!」

「…一つだけ…十代さんがここに飛ばされてくる前に俺の腕の赤き竜の痣が光ったんです
まるで、時空を超えたあの日のように…」

「へぇ?でもなんで俺がここに?」

「それは、俺にもわかりません
もしかしたら、赤き竜の導きかもしれません」

実際のところそれはまだ確定していない
だがそれ以外に思い当たる節がない以上、今はそれ思うしかないだろう。

遊星は確信こそなかったが十代にそう伝えた


すると十代は、少し考えたような顔をし遊星に言った。


「じゃあ、おれはしばらくここに居れるんだよな」

「そういうことになります」

「そっか、じゃあさ遊星…俺をここに置いてくれ!」

「えっ?!」

「ホラ、帰れるようになるまでさ
それとも迷惑だったか?」

その言葉に、遊星はあわてて訂正した。

「い、いえ!そんな迷惑なんて…むしろ嬉しいです!
十代さんがここにいてくれるなんて」

まるで捨てられた子イヌのような十代の表情に遊星は襲ってしまいそうになる衝動を抑え

これからもよろしくお願いします!

と、ごまかすように言った。

すると、遊星の言葉に十代は元気よく

「おう!よろしくな!遊星!」

と返した。






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