裏★小説

□渇望
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もっとだ。
まだ足りない。
もっと深く、もっと奥まで。
その清らかで美しい心を…―――。




『渇望』


格子窓から見える空は、少し明るみ始めていた。
夜から朝へと姿を変えようとしている外界。
そんな外の世界とは隔離された冷たい地下では、今だに男の手によって陵辱される一つの小さな体があった。
力をなくした体を強制的に揺さぶられ、絶え間なく与えられる快感。
少年の太ももは彼自身が放ったものと、男が秘部に注いだ精液が漏れて伝い、白濁に濡れている。
繋がれた手首には鎖が食い込んだため赤い痣ができ、涙を流し疲れた瞳は何も映していないように虚ろなものだった。

「ぅ…あっ、あッ」

小さく漏らす声は喘ぎすぎたせいで掠れていた。
後ろから少年を犯す男がクスリと笑む。
最初は激しい抵抗と強気な態度を見せていた少年は、男が与える快楽に、もはや意思をなくしたようにされるがままになっている。
男にはそれが愉快でしょうがなかった。
何時間、この純粋で綺麗な少年の体を自分の欲望のまま汚しただろう。
何度、少年の中に自分の精をぶちまけただろう。
もう覚える気すら起きないくらい、男も悦楽に溺れていた。
だが、まだ足りない。
男は未だ満たされていなかった。
もっと、この少年の体に自分の証を刻んでやりたい。
もっと、この少年を自分の欲に染め上げてやりたい。
男は少年の中に埋めた楔を容赦なく突き上げた。

「やっ…ぁ、あっ…ん、あっァッ」

揺さぶられる少年に連動して、手首に繋がれた楔がジャラジャラと音を立てた。

「…っ、出すぞ…十代っ」
「ひ…ぁ、や…っ」

男はググッと楔を少年の秘部の奥まで埋め込むと、ハッと息を吐きながら中に精液を吐き出した。
少年は中を満たす熱い飛沫に声にならない嬌声を上げて気を失ってしまう。
男は荒い息を繰り返し、秘部から楔を抜くと、少年の手首に絡まる鎖を解いた。
ガクンと崩れ落ちる小さな体を支える。

「…十代…」

涙と唾液でぐちゃぐちゃになった少年の頬を撫で、男は口付けを落とした。












*****************

体が重い。心が重い。
何もかもが沈んでしまいそうになるような最悪な気分で、十代は目を覚ました。

「ん…」

ゆっくり開いた瞼に、最初に飛び込んできたのは真っ白な天井。

「……?」

十代はゆるゆると目を瞬かせると、周りの風景を見回した。
特にこれと言った家具もなく、こざっぱりとした部屋。
天井は一面白に覆われているが、壁は全て黒一色で、全体的にモノクロを基調としたデザインだ。
どうやらベッドに寝かされているようで、重い体を気張らせて布団から腕を出せば、ワイシャツのような物を着せられていた。

「………」

十代は白いシャツの袖から見えた手首の痣を、ボーっと見つめた。
あれは、夢じゃなかった。
冷たい地下に閉じ込められ、鎖で拘束され、パラドックスに犯された。
もう、途中から何も覚えていない。
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