天の間
□TRIANGLE
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SIDEA+SIDEB??
=bersionAB
いてもたってもいられなくなったパンドラは、肩にパールが乗っているにも関わらず、目標物(笑)目掛けて走って行った。
このままじゃ奴に何もかも取られてしまう…と、危機感を感じたからだ。
「お待ちなさい」
シヴァは声がして、はっと我に気付き顔を上げ、身体をカサンドラから離した。
ちっと舌打ちのようなものが聞こえたかと思うと、直ぐさまカサンドラから引きはがされ、引き寄せられた。
「わ…」
突然のことだった為、シヴァは体制を崩してしまうが受けとめられる。
そして漸く見上げ、それが誰かなのかをここで始めて知る。
知らなかったわけではなかった。
それはただ、ある程度分かっていただけのことで、ある意味賭けに近かった。
パンドラの声がしたからといって、それが本人のものかなど証明するものはない。
シヴァ自身が聞きたかっただけの、空耳かも知れないからだ。
けれど確信はしていた。
「全く、貴方は…」
パンドラのはなかんだような表情。
それだけでシヴァは嬉しくなった。
「パンドラ!!」
嬉々としている自分の様子を悟られないため、シヴァは眉を顰(ひそ)めた
「何だよ」
「“何だよ”とはなんですか。貴方はいつもそう。少しは私の苦労も分かっていただければ良いのですがね」
「−−−は?」
さっぱり、シヴァには分かってはいなかった。
だが、これで一応の体裁は守れたというもの。