天の間
□TRIANGLE
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SIDE;A
「へぇ〜それで」
カサンドラはゆったりとシヴァの話しを聞いてくれた。
にっこり笑うと少し、パンドラと似ている。
というより、シヴァ自身がパンドラと重ねてしまっていた。
パンドラならばこんな反応するかな、とかパンドラならこう言うだろうなど。
カサンドラは副神官長である。服装が同じな上、容姿も似ていることから重ねてしまっていた。
そんなシヴァを見て、カサンドラもどこか切なく見ていた。
ぱっと笑う表情、怒ったような仕草、りりしい表情。けれどどれもどこかひかえめで遠くを見ているかのようで…
何故シヴァは自分を見てくれないのか、そこまでして奴の存在は大きいのか…。
きっと大きいからこそなんだろう…。
「君はユダ殿のどこが素晴らしいと思っているのかな」
ふと、カサンドラがシヴァに問う。
「ユダ?ユダは僕が尊敬してやまない存在さ。彼こそが天使のリーダーとなるべき存在だし、六聖獣に選ばれたのも分かる。
ユダは強くて頭がキレて、そして誰にでも優しい。それはとても素晴らしいことだと思う」
シヴァの声のトーンが下がる。
「どうしたんだい?」
「僕がユダを好きでいるのはいけないことなのかな?」
「−−−そんなことはないと思うけど」
「シンみたいになりたいと僕は思わないんだ、ユダが好きなのに。どうしてだろう…こんなにもユダのことが好きなのに」
「思い詰めないで」
「でも僕には分からないんだ、だから僕はパンドラを傷つけてしまった。パンドラはいつも僕のこと心配してくれているのに」
「そうですか?パンドラ殿の場合、言いたくて言っているだけにしか…」
「そんなことない!!パンドラは…」
シヴァは立ち上がり、声を上げてしまった。
「あ、ごめん」
「謝らないで下さい。気にしてませんよ」
カサンドラはシヴァを落ち着かせるように言った。
「気が競っているようですね」
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