天の間
□TRIANGLE
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SIDE;B
な…ななな…なんですかアレ。
二人の姿を目撃したパンドラは、柱の裏から様子を見ながら驚嘆していた。
そもそもの話、パンドラは所用で自分の執務室を出て、たまたま通りかかった所でシヴァを見つけたのだ。
先程ケンカしたばかりで少し気まずいので、遠くから様子を見ていた。
そしたらそこにはあの、…あのカサンドラがいた。
いつも私に敵意をまざまざと送るあの副神官長殿がッ!!!!
それにしてもタイミングが悪い。よりにもよってこんなときに私が二人を目撃してしまうなどと。
「あーあ、あれカサンドラじゃない?」
パンドラの切実な思いを余所に、パンドラの肩にちょこんと乗っていたパールが身を乗り上げ、言う。
「そんなこと…分かってますよ!!!」
「パンドラったら熱いね。さっきのこと気にしてたりするの?」
うっ…と言葉に詰まってしまう。
「シヴァがユダユダ言ってるのはいつものことじゃない。諦めればいいものの、あんな風に言ったらシヴァが怒るのも無理ないと思うよ」
「今回は−−今回は私が悪かったということにしましょう。ですが!シヴァだって私といるときにユダのことばかり言うからいけないんです!!」
「変わらないじゃないか…」
パールが溜息をつくように言う。
「最近シヴァが自分に懐いてきたから欲が出たんだね、パンドラ」
「そんなこと…」
あるような、ないような…。
どっちにしろ、パンドラにとってはシヴァとカサンドラがほほえましく会話をしていること自体が問題だった。
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