天の間
□workin!!
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+ workin!! +
ガシャンガシャンと印刷機が耳障りともいえるような音を立てて回っている。
そして、その前には男性でありながらも美しく、線の細い社員がいた。
「よしっ、会議で使う資料は作成出来たからあとは印刷して綴じるだけだな」
彼はシンといい、この第二営業部に勤務している。
今は午後からの会議の資料作りをしている所だった。
ここはセイント商事第二営業部。
数ある部署の中でも、営業部は毎日接待やら外回りやらという対人の仕事がついて回る、ある意味ではキツい部署である。
今回の会議はセイント商事全体でのものなので、営業部一課、二課は合同で出ることになっている。
この会議では成績と仕事内容が問われるので不備があってはならないのだ。
それも理由の一つである。だが…実際には更に理由がある。
ガチャリと第二営業部と印刷室を繋ぐドアが開かれる。
「シン、この資料も10部ずつコピーを頼む。」
「はい!」
彼はユダといい営業部一課の部長である。
シンの一番の目的は彼であった。
有名大卒でキャリア組ともいわれる立場にある、超仕事のでき、頼りががある。
おまけに容姿端麗でフェミニストなので、女子社員おろか男子社員からも憧れの的である。
彼に近づけるのはこんな機会さえなければ難しいのだ。
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