天の間
□one day afternoon
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「パンドラ!!!!!!!!」
声に呼ばれ、玄関を見る。
始め、声の主を見て言葉が出なかった。
「シヴァ?!−−どうして…邪魔だと言ったでしょう」
シヴァはずかずかと部屋に入って行き、未だ横になっていないパンドラの背を押し、無理矢理横たわらせる。
不服なパンドラは、シヴァの腕を掴み、上半身だけ起き上がる。
「どうして戻って来たんです?帰れと言ったでしょう」
シヴァはきっとパンドラを睨み、動きを止めた。
「僕がパンドラの面倒をみなきゃ誰がみるんだよ。そんなふらふらして、そんなに嫌なら早く治ればいいじゃないか!」
「どうしてそうなるんです?貴方の看病が無くとも治ります!」
「何言ってんの?熱を下げる努力しないで、何も食べないで唯寝てるだけで治ると思ってるの?バッカじゃないの。パンドラが休めば仕事もたまる、それこそ迷惑だ」
そうシヴァに担架をきられ、パンドラは何も言えなくなってしまう。
思う所があり、大人しくパンドラは横になった。
するとシヴァはパンドラに冷たいタオルを額に、氷をつめたビニール袋を首の後ろに置く。
最後の一つのビニールはパンドラに手渡しする。
「これは?」
「おでこ、首の後ろ、そして太腿は熱を下げる時に冷やすといい場所だから、自分で置いて」
パンドラはにやりと笑った。
どうして置かないんです?
「なっ…何で僕がそこまでしなくちゃいけないんだよッ」
突然声を上げる。
どうやら恥ずかしいようだ。
「何故恥ずかしいんです?ほら、シヴァ」
パンドラはシヴァを見つめる。鼓動がじかに聞こえ高鳴る。
どきどきと心臓が破けてしまうのでは無いからかと思ってしまう位に鼓動が大きくなる。
時が経過するにつれ比例していく高鳴り。
どうしようかとシヴァが立ち止まっていたると、クスリとパンドラが笑った。
突然の出来事にシヴァは対処が出来なく、反応出来なかったが、次第に顔を赤くしていく。
「パンドラ!」
口元を押さえ、一応シヴァに気をつかっているのか、割と笑い声を抑えているようだ。
「あぁ、済みませんね。つい…貴方があまりに可愛らしくて」
熱に浮かされているのか?
シヴァは何とも応えられずにいる。