天の間

□one day afternoon
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心配した僕が馬鹿だった。

折角パンドラの為を想って看病しようとしたのに。


走って、走ってそれから僕は息を切らせて立ち止まる。

呼吸困難になり、屈んで治るのを待った。


“大きなお世話ですよ”

“はっきり言って迷惑なんです”


パンドラの言葉がこだます。

冷たく、僕には痛い一言だった。


鋭利なその金属は僕の心に刺さり、刃諸とも食い込み痛みと共に血がどくどくと溢れる。
いや、流れ出ているのは血ではない。僕の涙だ…。


あんな言葉を言ってほしくはなかった。

パンドラに嫌われた気がした。

終わりだ、とも。


無意識下に思ってしまったからこそ、僕は怒ってしまった。


信じられなかったから。


僕は伏せていた気持ちと一緒な顔を上げる。

パンドラは嘘をつくのが上手い。

しれっとした顔で平気で人を騙す姿を見て来た。


だから信じられるのはパンドラの言葉じゃない、熱を持った額、上気した顔だ。


そう考えると、さっきまで塞ぎ込んでいた自分が馬鹿馬鹿しいとさえ思えてくる。


パンドラは、なんだかんだ言って僕に甘いってことを僕は知っているから。


僕は来た道を引き返す。

もう、邪魔なんて言わせない。
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