天の間
□気がつけば
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「なんだってもう、僕がこんなことをしなくちゃいけないんだよ」
とブツブツ言いながら僕は渡り廊下を歩いていた。
僕は追放されたユダの為に天界のゼウスの元にいる。あわよくば何か情報が掴めるだろうと。
そういうわけで、怪しまれない為には一応天使として公務もしている。その公務のたまりにたまった書類の整理を僕がこうしてしているのだ。
単調な作業は嫌いだ。
とても時間が長く感じる。
嫌だからずっと先のばしにしていたからこそ、こんなにたまってしまったんだが…。
ただ書類をファイリングし、棚に置くという行為に飽きた僕は仕事をほうり出し、部屋から出た。
ぶらぶらと廊下を歩いていると、ふとパンドラの声が聞こえた。
何だ何だ?と近づいていくと、その場所はパンドラの執務室であり、部下の一人と何やら仕事の話しをしていた。
「この件ですが、先日行われた定例会議の後なんですが一部の天使が小さな反乱を起こしたようです」
「そうですか。しかるべき措置を施さなければなりませんね。ゼウス様はそのような事に敏感なお方ですから」
「分かっております」
「些細な事でも私に報告は忘れないよう。それと、
」
「申し訳ありません。すぐにとりかかります」
「では」
パンドラの部下がこちらにやって来る。
僕は咄嗟に隠れ、部下がいなくなってから僕は執務室に入って行った。
「あなたでしたか…」
大変そうだな、と思い僕は思わず足が引けた。
「−−何をしてるんです?入って来るなら来ればいいじゃないですか」
僕はゆっくりと入って行く。
「あの、さ…今忙しいの?」
「いつもと変わりませんが、強いて言うならば今は一段落したので暇ですよ」
いつもとは違うやわらかな笑みを浮かべる。
余裕が無いのか?それとも疲れているのか??
「じゃあパンドラが居てほしいって思うなら居てやるよ」