天の間
□おわりははじまり
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今度は何だ(怒)と、ユダが振り向く。すると其処には、在学中にも関わらず、神官候補生となったパンドラがいた。
「もぅ!何をやっているんです」
「「「パ…パンドラぁ?」」」
三人は声を同じくさせて、気の抜けたかのように答えた。
パンドラはシヴァと同じようにまっすぐ向かって来る。
「ほら、行きますよ」
そう言ってシヴァの腕を掴むが、意にそぐわないシヴァはパンドラの腕を振り払った。
「やだよ。僕の邪魔をするな」
シヴァがそう言うと、即座にパンドラは言い放つ。
「邪魔なのは貴方の方です!」
強く言い切るパンドラに怯むシヴァ。そしてそれに頷くユダに、パンドラの剣幕に気圧されているシン。どう見ても三者三様の反応である。
「問答無用です!さぁ行きますよ。ホラ!其処どいて下さい」
パンドラは振り払われた腕で再びシヴァの腕を掴み、今度は簡単には解けぬようにと胴体を抱えるようにして、シヴァの胸の辺りに腕を回して引っ張って行く。
パンドラのその言葉に
「あ…あぁ」
と、生返事なユダ。
「勿論、礼などいりませんからね。そんな馬鹿な事を考える暇があったら続きでもする事ですね!」
「は…はい」
と、“済みません”と付けてしまいそうなシン。
「ちょっ……ユダぁぁ、放せよ、パンドラッ」
ずるずるとパンドラに引き摺られているシヴァは、両手を開いてユダに助けを求めるが、パンドラはそれを許さず、ユダに一瞥する。
すると流石のユダも固まり、結局シヴァは教会を不本意ながら出ていくはめになった。
パンドラとシヴァが教会から出ていって数秒後、突然ふっと我に帰り、二人はパンドラの言うように何事も無かったかのように続きを始めた。そして、二人の甘い甘い一時を過ごした…らしい。