天の間
□Detest or Love?
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「ふぅ…今日も頑張りました…。」
「ああ…なかなか力のいるシーンだったしな。お前の演技は真に迫っていて、俺もドキドキしたぞ?」
髪を洗いながら流し目を向けてくるユダに赤面しながら、シンはうつ向いて小さく否定する。
「からかわないで下さい…恥ずかしいです…」
そんなシンに、今度はちゃんと顔を向けてユダが言う。
「からかってなど!お前は上手くなったよ。ケンカのシーンなんて、まるでお前に本当に嫌われたような気分になったぞ?」
「まさか!私があなたを嫌うなど、有り得ません!!」
立ち上がらんばかりの勢いで真剣に否定するシンに、ユダは一瞬目を丸くしたが、すぐに微笑んで優しくシンを見つめた。
自分の声の大きさと、口にした内容が恥ずかしかったのか、シンはユダから顔を背けて赤面する。
「シン…。」
「あ…っ、い、今の…忘れて下さいっ///」
「何故…?嬉しいよ、シン…」
「ユダ…っ、ん…」
ユダは愛しげな手付きでシンの頬に触れると、そのまま顔を引き寄せ、唇を重ねた。
それは決して長いキスではなかったが、触れ合った唇の感触と、ほんの少し絡んだ舌の熱さに、シンは顔を赤らめて控え目に体を離した。