天の間

□in the see!!
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「もう、本当に暑いですねえ…」


レイはそう言うと、その金色の手入れのなされた長い髪を靡かせてふう、と溜息をつく。


目の前には青い海、そしてさんさんと照っている、今は憎らしくて堪らない太陽。

レイはゴウやガイのようにはしゃいで海の中に入って行くタイプでもないので、何をするでもなく、パラソルの中にいる。
パラソルの中にいてただ座っているだけだというのに、レイの顳を伝う汗。
雲一つない青空の中、レイは逆に段々とテンションが低くなっていくばかりであった。


ただ責めてもの救いなのは、海の波の音が涼しく聞こえるということと…


「大丈夫か?レイ」


ルカも一緒にいることだった。
ある程度の筋肉がついており、均整のとれた身体、そして端正な顔。映える銀色の髪。低く響く声は聞いた物の思考を惑わすかのような状態を起こさせる。

「あぁ、ルカ」


ほっとしたような感じがする。

ふっ、とルカは笑んでレイの隣に腰を下ろした。

「大分暑そうだな、お前も海に入ればいいだろう?」


「私が…ですか?」


「冗談、ですよね」


「冗談を言った積もりはないが?」


真顔でルカは答えた。
今日着いて来たのも、ルカが同行するというからである。
それでなくとも夏の日焼けには手を焼いているのだ。海なんかに来れば、照り返しで更に黒くなってしまう。
それと、紫外線で髪が痛む。

「髪、結んだらいいんじゃないか?」


ルカの提案に、レイははっとするが、すぐに海の方を見る。


「それも考えてたんですが、うまく結べ無かったんですよ。僕、不器用なんで」


「レイは料理がうまいのに不器用とは…ふふ、どれ、私が結んでやろう」


そう言ってルカのひんやりと冷たい指ふわりとレイの髪に触れる。
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