天の間

□TRIANGLE
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『トライアングル』








SIDE;A



「ったく、なんでこうもアイツって口煩いんだ?頭にくるなぁ」


ある麗らかな昼下がり、シヴァは往来をぶつぶつ言いながらあるいていた。

そこは神殿の中であり、他の上級天使などもいる所である。


「おや?シヴァ殿ではないですか」


シヴァは声をかけられ、ふと足を止める。


「カサンドラ?」


名を呼ぶとにこ、とカサンドラは笑う。
そしてゆったりと歩いてシヴァに近づいてくる。


「おやおや、何故そのような浮かない顔をしているんです?貴方にそのような顔は似合いませんよ」


「そう、かな?」


シヴァは無理矢理笑顔を作る。
だが、カサンドラは顔をしかめる。


「かといって無理に笑う必要なんかないですよ。気を遣われるというのも悲しいものです」


一応自分を励ましているのだな、とシヴァは己の中で解釈する。
ぽんと胸を撫で下ろし、ほっとしたような表情をする。


「ありがとう」


シヴァは心からそう思った。
確かに胸のうちはもやもやして、シヴァ自身も“笑う”余裕がなかった。
吐き出してしまえばきっと楽なんだろうって思う。
だけど、できないからこそ苦しい。


「良かったら話してくれませんか?」


「え?」

「無理にとはいいません。ですが、貴方が私におっしゃってくれれば心も軽くなれば…と思いまして」
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