天の間
□Detest or Love?
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時刻は午後8時を過ぎた頃…。
芝居の稽古を終えたユダとシンは、汗を流すために風呂へと向かっていた。
しかし2人は寮の大浴場ではなく、管理棟の方へと進んでいる。
この学園には、各学年の教室がある教室棟と、職員室、特別教室、会議室、会計室、生徒会室などのある管理棟がある。本来は、8時などという時間に使われることはない管理棟だが、ユダとシンはその3階にある生徒会室へと入っていった。
「やはり、今日も私達だけ、のようですね…。」
「まぁこんな時間だしな。いいじゃないか、貸し切りだぞ?」
「ふふ…そうですね。」
2人は部屋の明かりをつけると、奥の扉に向かった。
生徒会室には、役員専用のバスルームが設置されている。
白を基調にした落ち着いた雰囲気のバスルームで、寮の大浴場程の広さはないが、3人くらいなら余裕を持って入れるサイズだ。
生徒会役員、もしくは生徒会役員に認知された者ならば、いつでも自由に使うことが出来るようになっている。
ユダとシンは湯船に湯を張ると、脱衣所で服を脱ぎ、風呂場に入って体を洗いはじめた。