小説1

□噛む
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「噛み付いて下さいよ、イルカ先生」


口布を外しながらカカシはうっとりとした口調で云う。


「ほら、このへんにがっぷりと…」


口布を更に引き下げて首筋を露にする。
そのカカシに動揺するイルカ。


「…っななななに云ってるんですかカカシさん!」


「好きなんですよ、噛み付かれるのが。噛み付くのも嫌いじゃないですけど」


「痛いじゃないですか!」


「痛いのがイイんじゃないですか、解ってないなぁ…」


「そんなの解らなくってイイです。解りたくないです。」


顔を赤くしてふいと横を向くイルカ、それを笑顔で見るカカシ。


「じゃぁ、俺が他の人に噛み付かれてひぃひぃ云ってても良いんですね、イルカ先生は」


「誰でも良いんですか?!あなたは!!」


「良くないからイルカ先生にお願いしてるんじゃないですか。ほら…このへんにどうぞ、がっぷり、おもいっきり」


首を横に向けてカカシが露にしてみせた首筋も、鎖骨も、驚く程に白い。


「カカシさん、色白いですよね」


「そりゃここは日に当ててないですからね、当然デショ」


「僕しか見てないんですか…その…首筋とか…カカシさんの素顔とか」


「最近はそうですよ、他に見せるような人も居ないし。…ほら、早く」


ずい と、肩をイルカの方に突き出してカカシは云う。


「…痛いですよ?」


「痛くして欲しいんですよ」


「……」


イルカは少し肩を小さくしながら、剥き出しにされたカカシの肌を見た。


「折角きれいな肌なのに勿体無いですよ…ほんと」


諦めた様にイルカはカカシの腰に手を回して首筋に顔を寄せる。


「ちゃんと跡が残るくらい、おもいっきりやって下さいね」


自分より少しだけ背丈の低いイルカの肩に頭を預けて、カカシはその背中に腕をまわした。


「……っ」


肌に食い込む歯の感触にカカシは背を粟立てながらきつくイルカの体を抱く。
ぎりぎりと血が滲む程にイルカはカカシの首筋に歯を立てた。
僅かに触れる舌の感触と咥内の熱、そして肉の痛み。


「イルカ先生…勃ちそう、俺」


「……!」


「今度は突っ込みながら喰い付いて下さいね、イルカ先生」


イルカは少し泣きそうな顔で更に強くカカシに歯を立てた。






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