『復活short』
□卒業しなよ
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『卒業しなよ』
あれ?
なんでこの人私の隣にいるの?
卒業式。
校門のところにたまっていた先輩達がやがてそれぞれに帰っていく。
私はそれを応接室から見ていた。
これからある式場の片付けをサボるため。
ふと、隣で声がした。
『やっと帰ったね。いつまでも群れてるなら咬み殺そうと思ったけど必要なかったよ』
『委員長?』
横目で見て確認した。
やっぱ雲雀さんだ。
ん?この人って…。
『あのー、三年生?ですよね?卒業…しないんですか?』
『僕は風紀委員だからね』
いや、関係ねぇし!
心の中で激しくツッコミを入れた。
『委員長。卒業しましょうよ。なんなら一年後、私と一緒に』
窓を開けたらちょっと冷たい風が入ってきた。
『どうして僕に卒業してほしいの』
卒業式=桜って感じだけど、実際咲かないよね。
私は壁に寄り掛かった。
『だって、委員長の第二ボタンもらえないじゃないですか』
そう言ったら、珍しく雲雀さんは目を丸くしていた。
『ワォ。君はまだそんな古い風習にこだわってるの』
『意外ですよね』
「自分で言うな」。とは言われなかった。
だって雲雀さんだもの。
小さくため息をついた雲雀さんが、羽織ってる学ランに手をかけて第二ボタンを引きちぎった。
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