『another』

□散る花を手の中に
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『散る花を手の中に』



奥州筆頭伊達政宗。


この渇きを癒してくれるのは誰か。

温い戦は好きじゃねぇ。

もっと熱く、血がたぎるような命のやり取りがしてぇんだ。


『奥州筆頭伊達政宗。推して参る…!』


まだだ…俺の首をとるには軽すぎる。

俺は六爪のうち、一爪を引き抜く。

腹心の部下、片倉小十郎に言い放った。


『小十郎、みなを見てろよ。心配だからな』


言葉だけ残して、俺は敵陣に斬り込む。

ざわめく敵を、凪ぎ払う。

『Got it!…次。死にたくねぇ奴は俺に近づくな』



待ってろよ真田幸村、必ず決着をつけてやるからよ。


『Are you leady?楽しくなってきたじゃねぇか』


だが、まだだ。

もっとだ。

もっと熱くさせてくれ。

熱に浮かされたみてぇに、体の芯から震えさせてくれ。


一振り。

また一振り。

敵を、斬り捨てる。


『あまり無茶をなされるな、政宗様』

『いつもの小言なら聞き飽きたぜ、小十郎』


小十郎の諫めを無視して、また刀を振りかざす。

ついてこい小十郎、地獄の果てまでも。

部下の信頼は裏切れねぇ。

死んでいった仲間も見捨てねぇ。

必ず天下をとる。

だから、あの世で俺の天下とりを見てろ…!!







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