炭酸

□英
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「え」




思い詰めたような顔。

どうしたの

聞こうとして一歩前に出たら、腕を強く掴まれた。



「ごめん。
我慢できない」
「何がっ、」


暗転。
いや、急に引き倒されて瞼をおろしてしまっただけ。
背中には、さっきまで横になっていたベッド。
眼前には頬を染めて、やはり辛そうな顔をしている彼。

「もう無理」



首筋にキスしてきながら、シャツの上から胸を撫でられた。
思わず跳ねる身体。

「い、痛くしねぇから」
「んぅ」

宥めるように、今度は唇にキス。
指の腹で優しく胸の突起を撫でてくる。
擽ったくて身をよじると、

やっぱり駄目か?

と、哀しそうな瞳で言われた。


「だめ、とかじゃないけど……」

心の準備とか…と、恥ずかしくて小声で言い訳がましく呟くと、

「そう言っていつになったら…。
無理やりする気はねぇけど、本当にもう限界なんだ。
…少し、触るだけだから」

前半はイラつき声。
後半は懇願するように。

「…少し?」
「ああ」

窺うように見上げれば、彼は嬉しそうに少しだけ顔を綻ばせる。

「止めてって言ったら止めてくれる?」
「……ああ」
「それなら、」

言った瞬間、ぎゅうと抱き締められた。







「ふ、」

首筋に舌を這わせ、撫でるように胸を触る優しい手。
服は脱ぎたくないと言えば、シャツのボタンを数個外された。

「嫌だったら言えよ」

胸の間に、キス。
やわやわと右胸を揉みながら尖端を指で摘む。

「ゃ、」

思わず声を洩らすと唇で塞がれる。
そのまま彼の舌が入ってきて、その感覚にうっとりしてしまった。

このキスが気持ちいい事は知っている。

唇を食まれて、舌を絡めて。
夢中になっていると、また同じ所を今度は指の腹で撫でられる。
抵抗しない様子を見せると、もう一度摘んできた。
やっぱり体は跳ねてしまって、誤魔化すように彼にしがみつく。

唇を離され、彼を見れば満足そうに微笑んでいた。

「可愛いなぁ」

一言呟いて、私の左胸に唇を寄せる。
シャツをずらして、覗いた素肌に軽くキス。
そしてそのまま尖端を口に含み、ちゅ、と吸われた。
その瞬間、ビクリと腰が跳ねる。

「ぁ、もうやだ」
「なんで?」
「んや、」

恥ずかしくて思わず言えば、彼は問いかけながら、ちゅっちゅ、と何度も乳首にキスをする。

「ああ可愛い」
「っ…はずかし」
「恥ずかしくねぇよ」

こんな可愛いのに。

そう言いながら今度は舌先でツン、とつつく。
右手は腰に回されがっしりホールド。
その手は熱くて、心地好い。

「ひぁっ」

吸われながら舌先で転がされると、声が抑えられない。
思わず口元を手で塞ぐと、彼の左手でまとめ上げられてしまった。

「聞きたい」

何故か胸がきゅん とした。
沈黙を肯定と受け取った彼は拘束を解き、愛撫を続けていく。
キスは次第に下へと下がり、時折思い出したように、私に唇を重ねてくる。

「ぁ…」

太ももに舌を這わせて、ちゅっとリップ音。
下着越しにふ、と息を吹きかけられて、小さな声が洩れた。

そこにもキスされる

そう思い身構えたが、彼は私を抱き締めながら唇にキスをしてきた。
ちょっとだけ安心して身を委ねていると、指でツンと、股間をつつかれる。

「気持ちよかったんだ?」

濡れてる

言外に言われて顔が熱くなる。

「嬉しいよ」

彼は笑って、たくさんキスをしてくれた。

しかし、右手は濡れたそこをとんとん、と指先でつつく。
時折撫でながら、何度も何度も緩い刺激を与えてくる。

「もうこれ、脱いじまおうな」
「あ…!」

ぬるぬるして気持ち悪いだろ?

そう言いながら、抵抗する間もなく下着を脱がされてしまった。


露わにされてしまったそこに、再び指を乗せて撫でられる。
直接触れられてるだけで、さっきより刺激が直接的になる。慣れない感覚が怖くて彼を見れば、大丈夫だからと頬にキスしてくれた。

「痛いことしてねぇだろ?」
「そ、だけど…っ」
「なら、怖がんな」

いじめたくなる、と聞こえた気がする。

「ほら、口開いて」
「は…」


また、噛み付かれるようなキス。
下を撫でている指が探るように動く。
ある一点を掠めた時、思わず彼の手を制した。

「ここやなの?」

コクコクと頷けば、ニコッと笑って。

「!、や、だぁっ」
「気持ちいいもんなぁ」

私の抵抗なんか無いかのように振る舞い、執拗に撫でてくる。

「ほら、さっきより良さそうだ」
「ぃ、や」
「でもほら、指入りそう」

撫でてつつくだけだった指先に力が籠る。
私の体が強ばったのが分かると、悪いと一言。
それから徐に彼は私の太股まで下がり、そこに再びキスをした。

「これなら多分痛くないから」
「ひ…っ?」

ちゅっと、濡れたそこに唇を落とす。
吃驚したのと恥ずかしいのと、よく分からない感覚に更に体が硬直。
彼はやさしい手つきで太股を持ち上げ、そこを舐めやすい体勢にかえる。

「気持ちい?」

ゆっくりした動きで舌を這わせられる。
初めての感覚に腰が震えて、止めてもらうと彼の頭に手を乗せた。

「ねだってんの?」
「ちが、ぅうっ」

彼は楽しそうに笑って突起に吸い付く。
瞬間目の前が真っ白になって、強い刺激が体に走った。

「吸われんの好きなのか」
「やだ、それっ」
「涙出ちゃってるぞ」

そう言いながら、今度は濡れたそこを舌先でつつき始める。
少し中に入った感覚があって、周りを指で拡げられた。

「痛いのは嫌だもんな」

ちゅう と強めに吸ってから中に舌を這わせる彼。
熱い舌先を感じて、力が入ってしまう。

「ひぁっ」

時折乳首を擦られて力が抜けた瞬間奥に入る舌。
それを何度か繰り返し、気付いたら彼はまた私の耳許。

「指少し入ったの分かる?」
「へ、」
「ほら」

くっと指を曲げられると、少しの圧迫感。
でも痛みは無くて。

「もう少し触るからな」

言うのが先か、くちくちと小さく指が動いた。














「擦るだけ、な?」


指を1本受け入れることが出来て。
徐に彼は服を脱ぎ、腰を私に擦り寄せてきた。
固く熱くなったそれは、私のそこに宛てがわれる。

「入れないから」

その言葉に頷くと、彼はゆっくり腰を揺らし始めた。

擦れる度に水音が鳴り、熱を持ったそれが入口を擦る。
時折突起に触れればびくりと体が跳ね、彼は私を強く抱きしめた。


耳元で彼の吐息が聞こえる。

「ああ、気持ちいい」

ぞくり。
低い声で囁かれて、体温が上がる。

彼の自身で濡れた入口を押されると少しだけ入る感覚。

「ぁ」

痛みのない、単純な気持ち良さを感じて声が漏れた。

ぐっと力が込められたのが分かった。

「名前」

唇を塞がれると、ゆるいピストン。

「これくらいならっ、痛くないだろ?」
「ん、う」

圧迫感と気持ちよさが響いてくる。
ぎゅっと彼にしがみつけば、激しいキスを返してくれた。
そして少しずつ、出し入れの幅が大きくなる。
キスをされながら胸を弄られ、少しずつ増す圧迫感。
頭が着いていかず、一番好きなキスに没頭してしまう。

「は、」

可愛いとか、気持ちいいとか言いながら腰を進めてくる彼。
気付いたら、自身を全て受け入れていた。




















「キツくないか?」
「ひ、ぁ」

彼の問いかけに答える余裕はなくて。
情けない声しか出てこない。
それでも彼は嬉しそうに笑ってくれる。

「っ…そろそろ」

一際彼のが大きくなった時、切羽詰まった声で、動きが激しくなった。
私はしがみつくので精一杯で。


























「いやぁ…つい」
「うう…」

にこにこ顔の彼と、恥ずかしいやら何やらで真っ赤な私。

「止めてって言ったのに」
「嫌とは言ってたが…」

止めてなんて、聞いてない

彼はそう言いながら、誤魔化すかの様に沢山キスしてくる。

「でもま、俺は嬉しかった」

ありがとな

とろけそうな顔で言われたら、もう何も言えない。
仕返しとばかりに彼の頬を抓り、胸に顔を埋めてやった。



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