REBORN

□恋愛革命
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いつもの生活を送っている中で誰でも一度は嫌になる事がある。その原因が何であるのかを判明するのは一人では難しい。

「この想いは…」

ベッドに横になり天井を眺めていると玄関のチャイムがなった。渋々出ると笑顔を浮かべて山本が立っていた。

「オッス、邪魔するな!」

「あぁ…」

やっぱいつもと変わんねぇか…そう心の中で思いながら玄関のドアを閉めた。山本の行動を見て呆然とした。それは、自分の持って来た荷物を部屋中にぶちまけベッドに寝転び雑誌を読んでいた。

「おい、お前何しに来たんだ…」

「何って…泊まりに来たんだよ」

「はぁ、いつてめーと約束したよ?ふざける
のも大概にしろよ?今すぐ帰れ、この野球バカ!!」

山本にだけはいつも素直になれず厳しい言葉を浴びせてしまう。でも言ったあと胸が苦しくなる。この感情が何なのか知る事も出来ない。

「なぁ、獄寺…1つ聞いていいか?」

バッとベッドから起き上がり真剣な面持ちで
聞いてくる山本を凝視していた。

「あのな、俺…」

言いにくそうにしている山本にだんだん苛立ってきた獄寺はベッドに背を預けて座った。

「獄寺…俺お前の事が好きなんだ。だから俺と一緒に住まないか?」

「……………」

獄寺の心の中ではザワザワと胸騒ぎが起っていた。獄寺自身この気持ちが何なのか全く分からない。

「獄寺…お前が悩むのも分かんだ、けど俺お前と離れたくない」

「…………………」

獄寺の心の中が少し軽くなった。この一言で今までの原因が全て分かった獄寺は微笑した。

「そういうことかよ…山本、てめぇ〜と同じ気持ちだったとはな…」

今までこの気持ちが何なのか分からなかった獄寺はまさか山本に気付かされるとはとため息を吐いた。

「ありがとな、獄寺…」

山本のこの言葉に力が抜けてクタッとベッドに寄りかかった。今まで心に闇がかった気持ちが一気になくなりホッとした。山本も今まで張りつめていた自分の感情を全て言えて力が抜けベッドに横になった。獄寺は天井を眺めて今までこの気持ちが『愛』ということに気付かなかった自分に少し腹が立っていた。ベッドの上に寝転んでいる山本をチラッと顔を向けて見た瞬間、山本がベッドにぶちまけた雑誌が顔にぶつかり怒りが頂点に達した。

「おめぇ〜ちぃっとは片付けろ…」

「わりぃ。今片付ける…」

ガサガサと片付けていると突然後ろから獄寺に抱きしめられた。山本は身動きが取れずジッとしていた。

「獄寺…?」

何も言わず沈黙が続く中、山本は小さく名前を呼んだ。するとピクッと獄寺の体が震え抱きしめていた手を離した。

「………………」



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