★BLEACH★

□戸惑い
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『市丸隊長、何か御用でしょうか?』

市丸隊長の部屋を訪れていたのは俺、檜佐木修兵だった。市丸隊長とはあまり接点がないのだが、2番隊隊長からのお呼びに断ることは出来ないと思い、俺は市丸隊長の所へと訪れたのだ。そして俺は片足を付いて顔を下に向けてかがんでいた。

『用がなかったら呼んだらあかんかった?』

そう言ったギンは俺の方に向き直った。

『いえ、そういうわけじゃ・・・』

 そう言って修兵は、下げていた頭を上げた。

(何で市丸隊長は何も用がないのにわざわざ俺を呼んだんだ?)

俺は市丸隊長が俺を呼んだ理由が分からないでいた。

『まぁ、ええか』

俺はどうしていいかわからずにそのままでいると市丸隊長は俺のほうに歩み寄ってき。俺はそれをじっと見つめていると

『それより檜佐木くんは俺のこと好き?』

『・・・・・・!?』

(市丸隊長は何を言ってるんだ!?俺が隊長のことが好き?こういうのってどう返せばいいんだ?)

俺は市丸隊長に言葉を返すことが出て来なかった。

『俺は本気なんやけどな』

突然の市丸隊長からの告白とも取れる言葉に俺は言葉を失くした。何も言えない俺に市丸隊長は頭を優しく撫でてきた。俺はされるがままにしていた。

『市丸隊長・・・?』

市丸隊長はニッコリと笑っていた。いつもは見せない笑顔に俺はドキッとしてしまった。

(なんでドキッとしてるんだ?相手は市丸隊長だぞ・・・)

『いい返事聞かせてな』

そう言って俺の前から去ろうとした。

『市丸隊長!』

俺はとっさに立ち上がってギンの袖を掴んでいた。

(俺は何をやってるんだ?)

修兵はそう思ったが、もう引っ込みがつかなかった。

『どないした?』

ギンは修兵の方を振り向いた。

『市丸隊長の事をもっと知りたくなったんです』

修兵は自分の言った言葉に驚いていた。

『じゃあ、教えてあげよう』

『えっ!?』

 ギンは袖を掴んでいた修兵の手に自分の手を重ねたかと思うと、手を引き寄せて自分の胸に抱き寄せた。

『い、市丸・・・隊長!?』

 修兵は困惑していた。それと同時にドキドキしていることに気づいた。

『俺のこと知りたいんやろ』

『・・・はい・・・』

修兵は戸惑いながらも頷いた。

『じゃあ、覚悟しといてや』

そう言ってギンは修兵の口にそれを重ねてきた。

『・・・っ!?』

修兵は突然の出来事で何が何だか分からなくなっていた。

『ん、んん・・・。(俺、市丸隊長にキスされてる?)』

口の中に入ってきたギンの舌は歯茎をなぞり始めた。

『ん、あっ・・・あぁ・・・』

ギンが歯茎を舌で撫でる度にそこからはクチュ、クチュと音が鳴り、部屋中に響いていた。俺はそのいやらしい音に煽られ体を熱くしていた。

『うっ・・・うぅ・・ぷはぁ・・・』

ギンの舌は俺の口から離れていった。

『あっ・・・』

キスをやめられたことで俺の声は無意識に上擦っていた。その声に自分でも驚いて腕で口元を隠した。

(さっきに声は本当に俺の声なのか?)

『何や、感じてるみたいやな』

ギンの言葉で我に返ったと同時にギンとキスしたことにリアルさが増し、俺は急に恥ずかしくなってきた。

『そんなことありません・・・』

俺はキスされていたことで少し息を乱していた。

『そんなんじゃ認められへんな』

『っ・・・』

『そんな、目潤ませて誘ってるん?』

(俺が市丸隊長を誘ってる?そんなことあるはずが・・・)

すると俺の体がドクンとたかなった。

『これで分かったやろ?』

そう言って市丸隊長は俺の元を去って行った。部屋に取り残された俺は力が抜けたように壁にもたれて座っていた。



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