★彩雲国物語★

□黎深の至福
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「黎深(れいしん)様、お呼びでしょうか?」

絳攸(こうゆう)は黎深の執務室に入ると、黎深の机のそばまで歩いて行く。

「ああ、もう少しで仕事が終わるからそこで待っていろ。」

そう言って黎深は、また仕事をし始めた。

「あの…、黎深様。」

絳攸の声が聞こえてなかったのか、黎深の反応はなかった。
絳攸は仕方なく黎深の仕事が終わるのを待っていた。

「よし、これで今日の分は終わりだ!」

そう言って黎深は、顔をあげた。
それに気づいた絳攸は黎深のそばへと向かう。

「本当に出来たんですか?」

そう言って絳攸が確かめようと黎深の手元をのぞき込んだ。
すると突然、腕を軽く引っ張られその勢いで黎深の唇と重なってしまった。

「・・・・・・!?」

唇が離れると、黎深はニコッと笑っていた。




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