★彩雲国物語★
□武官に恋をする
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『主上、ちょっといいですか?』
劉輝(りゅうき)の部屋に入って来たのは楸瑛(しゅうえい)だった。
『どうしたんだ、楸瑛?』
『聞いてもらいたいことがありまして…』
珍しく楸瑛の口調は歯切れが悪かった。
『なんだ?』
劉輝は楸瑛の言葉に違和感を覚えた。
『あのですね…私のことどう思っていらっしゃいますか?』
『どう?って…、余は良きパートナーだと思っている』
『…そうですか』
やっぱりおかしい。もしかして何かあったんだろうか?
『楸瑛、何かあったのか?』
『何にもないですよ』とあっさり流されてしまった。
さっき余が感じたのは勘違いだったのか?
『変なこと聞いてすいません』
楸瑛はにっこりと笑い部屋を出て行ってしまった。
楸瑛、大丈夫かな…?
[なんでもありませんよ]って言われてもあんな顔じゃ納得できないのだ。
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